池などの波立っていない静まった水面に石を投げ込むと、波紋が広がり岸や岩などにあたり、その波紋は石が落ちた元の場所に帰ってくるのと同じように、この世ですべての人間の肉体的な行動や精神的な態度は、微妙な波動となって体の外側へと発していきます。
そして、それぞれの行いの波動は、宇宙全体に広がり、惑星に当たり、波動の発生源である魂のところへ返ってきます。このとき惑星がカルマを魂のところにはね返す反射体となっているため、
惑星は私たちの運命に影響を与える重要な役割を持っているのです。
私たちの思考と行動の波動が
宇宙と惑星へ向かうとき、
これをカルマ(行い)と呼びます。
そして、その波動が
自分自身のもとに返ってくるときを、
パッギャ(運命)と呼んでいます。
アチャーリャア・アマン著「運命好転の法則 」
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何の気なしに本屋さんで手に取った、「運命好転の法則 」という本は、
ハタヨガや、日頃考えていることへの多くの気付きを与えてくれる一冊となりました。
☆☆の法則、というタイトルが世に溢れ、少しお腹いっぱいでしたので、
なぜこの本を手に取ったのか自分でも判らず、パラパラと中を見るや釘付けでした。
カルマ、という言葉への世の中の認知度が上がり、
たくさんの解釈と投げかけが与えられるようになりました。
チベット仏教でも、業の因果応報を十二縁起や輪廻転生のプロセスにおいて、
さまざまに説いていますし、
日本も昔から、「お天道様が見ているよ、悪いことしたら返ってくるんだからね」
というようなことを、何となく耳にしたこともあると思います。
チベットハートヨガでも、まず最初に、「カルマのたまねぎ」というタイトルで、
カルマについて説き、内側からは慈悲に満ちた意図を持って、
外側への働きかけとしてヨガのアーサナを行うシリーズがあります。
善いことをしたら善いことが返ってきて、
悪いことをしたら悪いことが返ってくる。
この考えは、何となく気持ち的によくわかりますが、
どうしてそうなるのか、
「善い」「悪い」とは誰が決めるのか、
どこから「返って」くるのか、
明確な手触りのないままでいました。
数日前にこの「運命好転の法則」の本を手に取り、
著者を検索すると、なんと本日セミナーが有るとのこと。
良い流れの中で参加させて頂きました。
色々学びが深く、書きたいことが溢れてくるのですが、
すべては、自分自身の内側に生じる微細な意識、もしくは意図、
それらが生じた瞬間に、それはひとつの振動となって外側に発せられ、
それは瞬く間に空へと広がり、
遠くに感じる宇宙の惑星にまで伝わり、
その振動が、
自分自身に、やがて返ってくる。
だから「行為」の奥にある「意図」そのものの浄化が必要なのだと、
改めて納得をしました。
家族の為にお皿を洗う。
その行為はとても親切に見えます。
けれどもその内側で、
不平や不満、鬱屈した怒りを抱えていたならば、
その不平や不満はひとつのエネルギーとして、振動として、
瞬く間に宇宙に広がり、
あの美しく輝く惑星にまで届いてしまい、
惑星たちはそれらをあまねくキャッチして、
丁寧に、
元の場所へ放ち返す・・・
その撒いた種が、いつ、どのような形で結実するかはその人自身によりますが、
今、目の前のことは、
今までの自分が行動したこと以上に、
思念、想念として発生させたことの跳ね返りなのだと、
思わず空を見上げました。
宇宙、時間、光。
この3つを大いなる謎とし、
光(ジョーティ)を学ぶという意味を持つインドの占星術、ジョーティッシュのお話は、
またひとつ、自分自身が発する微細な意図や想念でさえ、
宇宙に瞬く間に広がっていく、というビジョンを明晰に与えてくれました。
そして、より細かく具体的に、
「業」というものをチベット仏教などは細かく説いてくれているのです。
アビダルマ論では、
「業は何かというと、
思業(心に思うこと)と思己業(思ったことが外に現れたこと)である」
また倶舎論でも、
「業は思とそれにより造られたもの」
と説いてあります。
youtubeで流れていた、「引き寄せの法則」の映像。
まさに、あの勢いで、
あらゆる「思」が、
毎瞬、地球を駆け巡り、宇宙にまで広がって、
それらは丁寧に、私たちのところまで、返ってくるのです。
これを書いていたら、星新一氏の「おーいでてこーい」が浮かんできました。
ぽっかり開いた大きな底なしの穴。
世界中のゴミ、核兵器など、あらゆるものが投棄され、
やがてそれらが頭上から返ってくる・・・
私たちの内側は、
一瞬一瞬の意図は、
思念は、想念は、どこまでも浄らかだろうか。
太陽は、月は、星々は、常に、
鏡のように、私たちに返してきます。
美しい波紋を、どうぞ空になげてください。
出逢えた人と、
これから出逢う人と、
出逢わぬであろう遠い人と、
そして未来の自分のために。
◆チベット玉樹大地震の被災者の方々に、平穏な日々がもたらされますように◆
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