2010年4月17日土曜日

〜 師と向き合う為に 〜

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チベットの諺にあるとおりだ。

「グルは火のようなものだ。近づきすぎれば火傷をするし、遠すぎては暖まれない。」


このような求愛の情をもつのは弟子のほうだ。師を求めて近づきすぎ、火傷をする。すると何もかも捨てて逃げ出したくなる。


しかし、結局二人の関係は非常に充実した堅実なものとなってくる。
あなたにはグルに近づきたい欲求も、彼から逃げ出したい欲求も、自分自身のゲームにすぎないことがわかってくる。それは現実の状況とは何の関係もない、あなた自身の妄想にすぎないのだ。


グル、あるいは精神の友は、
つねにそこに燃えている。
それは消えることのない生命の火だ。
彼とゲームを演じるかいなかは、
あなたの選択にかかっている。




チョギャム・トゥルンパ著
「タントラへの道〜精神の物質主義を断ち切って」
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photo by App [Backgrounds]




今日はチベットハートヨガのレッスンでした。


シリーズ5「グルの至福」


アーサナがメインのレッスンだったので、座学は少しでしたが、


「師」とは何か、


「師」に委ねるとは何か、


「師」から学ぶとはどういうことか、


その問いの本質として、「自我」をいかに手放すか、というところに触れていきます。






チベットの偉大な聖人の一人であり、偉大なヨーガ行者であったミラレパは、


母が願う復讐を実践して殺人を犯し、村の作物を枯らすなど罪を重ね、


そのような己から脱したいと、切実なる覚悟を持って、


聖人マルパに弟子入りを懇願し、教えを乞います。




マルパはミラレパに、不条理な難題を言い与えます。




家を建てることを命じ、建て終わるとその家を壊せと何度も繰り返し命じます。


家を建てる為に使用した石は、「景観を損ねないよう」元の位置に戻せとのこと。


教えを受ける事だけを支えにし、幾度も家を建てては壊し、


最後には9階建ての塔を、骨身を削って建てます。


しかしマルパは、


「たかが9階建ての塔を建てたぐらいで何を言う。


教えが欲しいならもっと献上品を持ってこい」と冷酷に言い放ちます。




日夜、家を建てる為だけに勤しんだミラレパには、差し出すものなど何もありません。


見かねたマルパの妻が、そっと大麦と反物をミラレパに差し出し、


ミラレパはその品物をマルパに献上品として差し出しました。


けれどもマルパは、その品に即座に気づき、


「これはもともと私のものだ!私を騙そうというのか大嘘つきめ!」と放り出しました。




ミラレパは絶望し、自殺を図り、今にも命を絶とうとした瞬間、マルパが現れ、


「お前には教えを受け入れる準備がやっとできた」と告げた、


という逸話が伝えられています。




師であるマルパも、


その師であるナーローパから同じように厳しい目にあっていたそうです。






先生と思う方から何かを学ぶとき、


自分自身の内側に、こんな「自我」の声が広がりませんか。




「この先生に気に入られたい」


「もっと私だけに教えてほしい」




恋に似た自我の声は、


「一生懸命」な姿勢へと押し進め、


自分の懸命な姿を認めてくれないとき、落胆と怒りに変化していきます。




そして、また新たな師を見つける旅に、


自分の努力を認め、自分だけに注意を注いでくれる師を探す旅を繰り返している…






あぁ、私はまさにそうであったし、今もそうではないのかと、自分に問います。




先生と向き合うとき、


自分の内側に少しでも「認めてほしい」という声が響いていないか、


今日のレッスンを終えて、改めて未熟である自分を見つけて身が縮む思いがします。






「わたし」という無意識の枠組みを手放さない限り、


本当の意味で、「学び」を得たということにはならないのだなぁと、


改めて気づかされた日です。




その「わたし」であるという自我を手放すことの難しさたるや。




肉体に厳しく試練を課すとき、


自我の声は小さく遠くなり、


「わたし」であるということすらも超える瞬間が訪れやすくなります。


走ったり、


山に登ったり、


何度も単調な作業を繰り返すことで、その瞬間を増やすことで、


「わたし」であることを手放すことを命じていたのだなと、


ミラレパの逸話から感じます。




私は、何を学ぼうとしているのか。




あらゆるものに、「認めてほしい」ということを求めていないか。




内側に、問いかけたいと思います。














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◆チベット玉樹大地震の被災者の方々に、平穏な日々がもたらされますように◆
 





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